旅行・地域

奈良のいいとこ☆その3

奈良といえばと、鹿とならんで皆様が思い浮かべるであろう奈良の大仏様
その大仏様について、ガイドブックではあまり紹介されていない物語を。

東大寺の大仏様は、平城京に都を開いた聖武天皇の発願によって建立されました。
1200年以上前の当時、都では、疫病が流行し、不作が続き、人々は疲弊していました。
ですから、官僚たちは、聖武天皇の計画に反対しました。

しかしながら天皇は、こういう時だからこそ、人々の心を一つにするために、大仏を建立することが必要なのだと主張しました。
大仏建立にあたって、聖武天皇には一つの信念があったのです。
「天皇が自らの私財を用いれば、いとも容易く建立できるが、それでは意味がない。多くの人々が、それぞれに持ち寄れるものを持ち寄って、それらを集めて、融合させて、皆で創りあげていくことにこそ意味がある」とお考えになったのです。

たとえ一握りの砂であっても、差し出せるものを差し出し、そして、皆の力を合わせて、大仏を創りあげようと、人々に呼びかけたのです。

日本全国から、さまざまな物資が届けられたそうです。
幾多の困難を乗り越えて完成した大仏は、為政者の権力の証ではなく、全ての人々の調和、協力のシンボルとなったのです。

大仏様を見上げていると、私たち一人ひとりがとても小さな存在のように思えます。
その一方で、その一粒の砂のように小さな一人ひとりが、融合することで、一つの大きなものを創りあげていくのだなぁと、感じることができます。

大仏殿は広く一般大衆に対して門を開いています。
訪ねられたら、その大きさに込められた聖武天皇の願い、それに応えた人々の思い、そしてそこにある歴史も感じてみてくださいね。

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奈良のいいとこ☆その2

今回ご紹介するのは長谷寺です。
平安時代から花の寺として有名で、
枕草子、更級日記、源氏物語などにも描かれています。

恋愛、結婚に関する願いを、観音様が聞き届けてくださる物語に憧れた、
当時の宮廷の女性たちも、初瀬詣といって、こぞって保養のために訪れていました。
日本の元祖セレブリゾートですね。

現代でも、女性の願いをかなえてくれる、恋愛と結婚のパワースポットとして、
全国から女性参拝客が多く訪れるそうです。

10月1日から12月6日まで、国宝ご本尊の十一面観音様の特別拝観が行われています。 普段は入れない本堂の中に入り、観音様の御足に触れることができます。
長谷寺の観音様は10メートル以上のとても背の高いお姿です。

ちょうど紅葉が色づき始めるこの季節。
回廊の階段を一段ずつ登りながら、世俗と離れて、 本堂の舞台の上に立つと、
眼下に紅葉が広がる 平安貴族が眺めていたものと同じ景色に、
きっと雅な気持ちになります。

平安貴族は、その光景に極楽浄土を思っていたのですが、
なるほどなぁと共感できます。 http://www.hasedera.or.jp/

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奈良のいいとこ☆その1

秋風に誘われて、少し遠出したくなるような季節に、私の地元奈良のいいとこを何回かに分けてご紹介していきます。

第1回目は奈良市法華寺町にある法華寺です。http://www.hokkeji-nara.jp/

法華寺は、平城京を開いた聖武天皇の皇后である光明皇后が建立した、平城京の北西に位置する門跡寺院です。
門跡寺院とは、皇族の女性が住職となる格式の高い寺院のことです。

仏教に深く帰依しておられた光明皇后は、社会福祉に大変貢献されました。
貧しい人々や孤児を救済するために「悲田院」を、医療施設である「施薬院」を開設し、慈善事業を行われました。
寺内にある浴室(からふろ)は、屋外の釜で薬草の湯を沸かし、室内にその湯気を送り込んで利用した蒸し風呂で、 「我ら千人の垢を去らん」という光明皇后の1000人施浴発願によって建てられた施設です。

このからふろには、以下のような伝説があります。
光明皇后が999人まで垢を流し終えたところ、1000人目に迎えたのは全身かさぶたで被われた病人でした。さすがの皇后もこれにはいさかためらいましたが、悲願達成のためにと、その病人の申し出どおり膿(うみ)を吸い取りました。
すると、病人の身体はみるみるうちに美しくなり、たちまち、大光明を放って昇天してしまいましたshine

光明皇后のお姿を写したと言われている、とても美しいご本尊の十一面観音様は国宝の秘仏で、普段は厨子の内側に安置されていますが、10月25日~11月10日まで特別開扉しています。

十一面観音様の前に座っていると、1200年前にここにいた女性たちの慈しみの心と繋がって、私たちの中に既にある慈悲や慈愛の心が刺激されます。
それは、肩に力を入れて頑張ったり、我慢したりするのではなく、安らいで、くつろいでいるからこそ、内側から自然とあふれだしていくような、自分に優しくなれる時間です。

私たちの内側に既にある、本来の女性性が目覚めていくように、そして、世界へと広がっていくように、この機会にぜひ訪ねてみてくださいね!

bus近鉄大和西大寺駅より奈良交通バス・JR奈良駅行き約10分「法華寺」下車すぐ

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